会社を退職後、健康保険をどうするか。任意継続被保険者制度と国民健康保険(国保)。どちらを選ぶべきか迷う人は多いはず。保険料、手続き、保障内容など、様々な要素を比較検討し、自分に合った選択をすることが大切です。この記事では、それぞれの制度のメリット・デメリットを詳しく解説します。
比較一覧表

| 項目 | 任意継続 | 国民健康保険 |
|---|---|---|
| 加入条件 | 退職日までに継続して2ヶ月以上の被保険者期間があること | 住所地の市区町村に居住していること |
| 保険料 | 在職時の保険料を上限に、全額自己負担(事業主負担分も含む) | 前年の所得に応じて計算(世帯全体の所得を考慮) |
| 保険料の計算方法 | 退職時の標準報酬月額を基に計算 | 所得割、均等割、平等割、資産割(自治体によって異なる) |
| 保険料の軽減措置 | なし | 所得が低い世帯に対する軽減措置あり |
| 扶養 | 被扶養者の条件は在職時と同様 | 被扶養という概念はなく、加入者一人ひとりが保険料を負担 |
| 保険給付 | 在職時と同様 | 在職時と同様 |
| 加入期間 | 最長2年間 | 加入資格を満たす限り継続可能 |
| 手続き場所 | 加入していた健康保険組合 | 住所地の市区町村役場 |
| 手続き方法 | 郵送または窓口 | 窓口 |
| 必要書類 | 健康保険任意継続被保険者資格取得申出書、本人確認書類 | 本人確認書類、退職証明書または離職票 |
| オンライン手続き | 一部の健康保険組合で可能 | 不可 |
| コンビニ交付 | 不可 | 不可 |
| 所要時間 | 書類準備含め30分程度 | 窓口で30分〜1時間程度 |
それぞれの方法の詳細

任意継続
任意継続被保険者制度は、会社を退職した人が、引き続き会社の健康保険に加入できる制度。健康保険法に基づき、退職後20日以内に手続きを行う必要があります。保険料は全額自己負担になりますが、給付内容は在職時とほぼ変わりません。
注意点としては、保険料が在職時の2倍近くになる場合があること。これは、会社が負担していた保険料も自分で負担する必要があるためです。また、加入期間は最長2年間と定められています。
国民健康保険
国民健康保険は、市区町村が運営する健康保険制度。会社を退職したり、自営業になったりした場合に加入することになります。国民健康保険法に基づいて運営されています。保険料は前年の所得に応じて計算され、世帯全体の所得状況も考慮されます。
国民健康保険の保険料は、所得割、均等割、平等割、資産割といった要素で構成されており、自治体によって計算方法が異なります。保険料の軽減措置がある場合もありますので、お住まいの市区町村に確認してみましょう。
手続きの手順
任意継続の手続き
- 加入していた健康保険組合に問い合わせ、必要書類を入手する。
- 健康保険任意継続被保険者資格取得申出書に必要事項を記入する。
- 本人確認書類(運転免許証、健康保険証など)を用意する。
- 健康保険組合に書類を郵送または持参する。
国民健康保険の手続き
- 住所地の市区町村役場の国民健康保険窓口に行く。
- 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)を用意する。
- 退職証明書または離職票を用意する。
- 窓口で加入手続きを行う。
国民健康保険の場合、退職日の翌日から14日以内に手続きを行う必要があります。遅れると、保険料を遡って支払う必要が出てくる場合もあるので注意が必要です。
おすすめの方法
どちらの制度を選ぶべきかは、個人の状況によって異なります。以下に、状況別のおすすめを紹介します。
- 退職時の所得が高い場合: 任意継続の方が保険料が安くなる可能性があります。国民健康保険料は前年の所得を基に計算されるため、退職前の所得が高いと保険料も高くなる傾向があります。
- 扶養家族が多い場合: 任意継続の方が有利な場合があります。国民健康保険には扶養という概念がなく、加入者一人ひとりが保険料を負担する必要があるため、扶養家族が多い場合は保険料が高くなる可能性があります。
- 退職後の所得が低い場合: 国民健康保険の方が保険料の軽減措置を受けられる可能性があります。お住まいの市区町村に確認してみましょう。
- 短期間で再就職が決まっている場合: 短期間であれば、任意継続の方が手続きが簡単な場合があります。ただし、再就職先の健康保険に加入したら、速やかに任意継続の脱退手続きを行う必要があります。
筆者の経験では、退職後のライフプランを考慮して、慎重に検討することが大切だと思います。例えば、失業保険を受給する場合は、国民健康保険料が軽減される制度もあります。
まとめ
任意継続と国民健康保険。どちらを選ぶべきか、この記事では様々な角度から比較検討しました。それぞれのメリット・デメリットを理解し、ご自身の状況に合わせて最適な選択をしてください。
- 任意継続は、退職後も会社の健康保険に最長2年間加入できる制度。
- 国民健康保険は、市区町村が運営する健康保険制度。
- 保険料は、任意継続は在職時の保険料を上限に全額自己負担、国民健康保険は前年の所得に応じて計算。
- 手続き場所は、任意継続は加入していた健康保険組合、国民健康保険は住所地の市区町村役場。
どちらの制度を選ぶにしても、早めの手続きが重要です。特に国民健康保険は、退職日の翌日から14日以内に手続きを行う必要があります。後回しにせず、計画的に進めていきましょう。


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